日本での結婚手続
前回の記事ではアメリカでの結婚手続について書きました。今回は日本での手続きについて書いていきます。
日本での結婚手続
日本でも届出する必要がある?
外国で結婚をした場合、結婚成立から3ヶ月以内に日本でも婚姻届を提出しなければなりません。(3ヶ月を過ぎた場合でも届出は可能ですがその場合は遅延理由書も合わせて提出する必要があります)
外国で結婚したけれど日本の役所には届けず戸籍上は独身のままという方もいるみたいですが戸籍法違反に当たります。これが許されてしまうと、外国でAと結婚し、Bと日本で結婚…なんてことが出来てしまいますよね。
外国で結婚した後に日本で提出する婚姻届は【報告的届出】という位置付けになるようです。通常の婚姻届では手続自体により身分関係に変更が生じる【創設的届出】ですが、【報告的届出】は外国で婚姻が成立したことを報告するという意味合いです。
いつ届出する?
上記で書いた通り3ヶ月以内であればいつでも大丈夫です。日本の市役所では婚姻届は365日24時間受け付けています。
日本では婚姻届を出した日=入籍日となるのでこだわった日付で提出する人が多いようですね。
外国で結婚をした場合の【報告的届出】では婚姻届を出した日=戸籍編成日となり、外国で結婚が成立した日=結婚日になります。婚姻届を出した日を結婚日とすることは出来ないので、結婚日にこだわるなら外国での結婚日に気を付けると良いです。私は戸籍編成日、結婚日と2つ記念日が持てるなんてラッキー!と捉えて婚姻届も希望した日付で提出しました。書類に不備があり受理して貰えなかった…ということがないようにしっかりチェックをしました。
国際結婚の場合、外国人は戸籍が無いので入籍という言い方は一般的にはしないようです。記念日を外国で結婚した日にするのか、婚姻届を出した日にするのか、日本での披露宴の日にするのか(全て記念日にしちゃうというのもアリですね!)色んなオプションがありますね。
どこに届出する?
私はアメリカで結婚後、日本に帰国したので日本の市役所で婚姻届を提出しました。日本人同士で結婚する通常の届出と同じです。もし、正当なVISAを保有していてそのままアメリカに在住する場合は在米の日本大使館に届出します。
必要な書類
用意する書類について詳しく説明していきます。
婚姻届
夫・私が自筆で記入。記入方法は下記に。
marriage license/certificate +日本語訳
アメリカで発行した結婚証明書。私たちが結婚した州ではlicenseとcertificateが一緒になっていたので原本を1部。
日本語訳は在米日本大使館のHPに日本語訳のフォーマット例があるのでそちらを参考に自分で訳し、翻訳者として署名・押印。
業者に頼んでも大丈夫です。
https://www.us.emb-japan.go.jp/j/download/2009marriage_cer_jp.pdf
birth certificate(夫)+日本語訳
アメリカで発行した夫の出生証明書。国籍を証明するための書類。原本を1部。
日本語訳は下記のフォーマットをアレンジして自分で訳し翻訳者として署名・押印。
https://www.us.emb-japan.go.jp/j/download/2009spousebirth_cer_jp.pdf
パスポートコピー(夫)+日本語訳
これも夫の国籍を証明するためのもの。birth certificateのみで大丈夫だったかも知れませんが、念の為。公証印付のコピーを提出している人もいるみたいですが、私は普通のコピーで大丈夫でした。市町村によって違うようです。
日本語訳は下記のフォーマットを参考にして自分で訳し翻訳者として署名・押印。
https://www.us.emb-japan.go.jp/j/download/2009spousepassport_jp.pdf
その他必要に応じて
戸籍謄本→本籍地以外の場所で届出する場合。
遅延理由書→結婚から3ヶ月を過ぎて届出をする場合。
私は家族に書類を送付し、本籍地(実家)の市役所に提出してもらったので戸籍謄本は不要でした。届出も3ヶ月以内に行いました。
婚姻届の記入方法
婚姻届の記入方法について詳しく書いていきます。日本人同士の場合と異なる点があるので注意しましょう。
氏名
夫の名前はカタカナで記入。ミドルネームは名の後に書きました。
夫は日本語が書けないのですが、別用紙に書いた見本を元に書いてもらいました。
(例:Edward Jhon Smithだとしたら)
氏:スミス
名:エドワード ジョン
という感じです。生年月日は西暦で記入。
住所
夫の住所はアメリカの住所をカタカナで記入。
本籍
夫の本籍欄は国名のみ記入。
父母の氏名
夫の父母欄はカタカナで記入。
氏名・住所・本籍・父母について日本人である私側の欄は通常通り日本語で記入。
結婚後の夫婦の氏・新しい本籍
夫の氏か妻の氏を選ぶ欄は空欄でOK。国際結婚をして外国の名字を使用したい場合は別途「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出する必要があります。(私は日本では日本の名字を使うことにしたのでこちらの手続はしませんでした)
新しい本籍は、私の本籍地をそのまま記入。外国人は戸籍を持っていないので、実家の戸籍から抜けた私が戸籍筆頭者となった新しい戸籍が作られることとなります。
因みに、本籍地は好きな住所に設定することが出来るので人によってはディズニーランド(!)や皇居(!)にしている人もいるようです。書類を取得する際に本籍地から遠いと不便ですが、思い出の場所などにするのもロマンチック(?)かも知れませんね。私は今後の手続のことを考慮して無難に実家の住所にしました。
同居を始めたとき
結婚式をあげたとき、または、同居を始めたときのうち早いときを記入。私たちは同居を始めていなかったので、アメリカで結婚した年月を記入。どちらも該当しない場合は空欄でOK。
初婚・再婚の別
該当する欄をチェックし、再婚の場合は日付も記入。
同居を始める前の夫婦のそれぞれの世帯のおもな仕事と・夫婦の職業
該当する欄をチェック。夫婦の職業については国税調査の年であれば記入。(国税調査は5の倍数、2015年、2020年、2025年…と実施されるようです)
その他
外国で結婚が成立した日付・場所をmarrigage certificateを元に記入。この日付が結婚日として戸籍に記載されます。
(例)平成26年11月11日 アメリカ合衆国 の方式により オレンジ郡丁所 作成の結婚証明書添付
下の空欄にその他の提出する書類を記入。
・結婚証明書の日本語訳
・出生証明書と日本語訳
・パスポートの写しと日本語訳
届出人署名押印
夫は押印不要です。署名も外国人特有の(?)ぐちゃぐちゃなサインでOK。私の欄は署名は楷書&押印あり。
証明
証人2人の署名、押印。
市役所によっては【報告的届出】なので証人は要らないという所もありますが、私の市では証人欄も記入してくださいとのことでしたので両親に記入して貰いました。そんなに手間の掛かるものでも無いですし、記入したから受理してもらえないということは無いと思います。
証人は日本人でも外国人でもOKです。外国人の場合は住所、国籍は日本語で記入(代筆可)。署名は必ず本人が行わなければなりません。記入間違いがあると書き直しになってしまうので、特別な事情が無ければ日本の書類に慣れている人にお願いした方が良さそうですね。
届出人の連絡先及び電話番号
左下の欄に記入。不備や不明点があれば連絡してもらえるように携帯番号を書きました。
捨て印
単純な書き間違いなどを役所の判断で訂正していいですよというためのもの。婚姻届に捨て印欄があればそこに、私のには欄が無かったので欄外に押印し※捨印と記入。
ポイント
・市役所によっては外国人と結婚する場合の婚姻届の記入例がHPで確認できます。HPに記載がなくても窓口に行けば詳しく教えてくれますので、用紙をもらう際に必要書類なども合わせて聞いてみましょう。
・【報告的届出】の際の記入方法(代筆の可否、外国人の署名の要否、証人の要否)が市役所によってまちまちのようです。提出する市役所に確認した方が安心です。
・国籍証明のパスポートのコピーが公証印付かどうかも市役所でまちまちでした。中には窓口で直接パスポートの現物を確認、という所もあるようです。こちらも要確認。
・外国で結婚した場合、外国で結婚した日=結婚日。婚姻届を出した日=戸籍編成日となります。
・婚姻届は未来の日付で届出したり、過去の日付で受け付けてもらうことが出来ません。届出日(戸籍編成日)にもこだわりたいという人は、あらかじめ役所で書類や記入に不備がないことを確認してもらって、後日改めて希望している日に提出すると安心です。
・婚姻届は余分に用意しましょう。記入間違いがあると書き直しです。夫が書き慣れない日本語の記入間違でアメリカに婚姻届を再送…ということがないように3部郵送しました。
・日本の住所の記入に注意!普段は東京都港区赤坂1-2-3などの簡略的な記入で大丈夫ですが、婚姻届は戸籍の記載通りの住所(番地・号)で記入しないといけません。人によって1丁目2番地3号だったり、1丁目2番3だったりと番地や枝番の表記が異なるので正式な住所で記入しましょう。
婚姻届を不備なく記入して、必要書類を用意すれば日本での結婚手続はスムーズに終えることが出来ると思います。この後に待っているVISA申請の書類集めの大変さに比べたら朝飯前です!(笑)
国際結婚は手続が多くて本当に大変ですよね。日本側の手続きは日本人側の配偶者が主導になることが多いと思いますが、逆に外国のVISAを取得する時は外国人側のパートナーに頼ることになるのでお互いに協力して乗り越えていきたいものです。
現在、手続き中の方やこれから手続きをされる方の参考になれば幸いです。
順番が前後してしまいましたがこの後のVISA申請(IR-1)についても別記事で書いているので、よろしければご覧くださいませ。
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